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巻頭言
あけましておめでとうございます。
またひとつ、新しい年を無事に迎えることができました。
さて、以前にも触れましたが、「知育」「体育」「徳育」の教育理念のうち、私も含めて現代の社会の中心の世代は、いわゆる偏差値(知識)教育を重点に受けてきて、人間として大事な「徳育」については、ほとんどなされませんでした。就職後の大人の社会が、社会のルール、礼儀、人間関係を教える場になり、かろうじて人としての教育を補完していました。
「徳」という人間の尊厳、成長、心の丸みをもたらす為には、「知」や「体」と同様、一朝一夕でなされるものではなく、それ以上に、人間本来の欲望、即ち人間の醜い心(嫉妬心など)を克己し、鍛える必要があります。そのためには、人間として何が大事なのか、心の調和や社会の平穏、世界の平和を齎すには何が必要なのか、思いやりや優しさ、寛容とはいかなるものか、命はなぜ大事にしないといけないのか、足ることを知るにはどうしたらよいか、さまざまなテーマを日々考え続けなければなりません。
現代日本社会に蔓延している「いじめ」や「自殺」についても、人としての指針が不足し(教える側が、「徳育」をなされないで育っていますので当然ですが。。)、子供達は弱肉強食の価値観で人と接する、かえって心優しき子らが、その受け皿となっていまい、悩み苦しむ。不条理な世界が生じてしまっています。「相手の立場」に立って物事を考える、理解するという基本が学ばれていない所以でもあるのでしょうか。
また、心の教育は、家庭でおこなえばよいという意見もありますが、小さな社会勉強の場である学校、今は希薄化された地域社会さまざまな場面で、行われなければなりません。社会性を持つ人間は、その中で育ちその中で、人間性の深みが増してくるはずです。仏教やキリスト教の信徒でなくても、「愛」や「感謝」についてもっと積極的に学び、身を美しくする努力が必要なのではと感じます。
新しい年が、豊かな人間性の溢れた、柔和で優しく、何が正しく、何が間違っているかを知り、自己鍛錬が行われた人々が増え、暗いニュースがなくなる社会になることを祈り、そのためにできること実行していきたいと思います。本年もよろしくお願いします。
プロペラ 熊川英輔