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映画レビュー
映画「硫黄島」二部作 監督:クリント・イーストウッド/第一弾「父親たちの星条旗」
(スプラッター系の描写あり・・・)
本当に戦争を知っている人間は、戦争を「知っていると言わない」。
私たちが受けるアメリカのイメージ(原爆を落としたことを正当化しているとか、戦争をしたがっている国だとか・・・)とのギャップを感じた。
戦争は国同士の都合なのに、実際に傷つくのは、個人同士。
戦争と国益・・・やはり、国と個人は同じではない。
この悲しくて醜い矛盾は必ず付きまとうから戦争はしてはいけない!
と思った。
この映画は、兵士たちが硫黄島のすり鉢山のてっぺんに、 星条旗を掲げようとしている有名な写真をめぐる真実や、 兵士たちの想いを描いたもの。
戦争と言うと、「人殺し」のイメージが強いが、 この映画で感じた生々しさや悲しみは、 少し違う場面だった。
ケガ人の治療を任務とする衛生兵が、 戦いのさ中、あっちこっちから何度も何度も助けを求められ呼ばれる。
弾が飛び交う中で、救護バッグを抱えて駆けつけ、
目の前のケガ人を処置し、力尽きた仲間を運び、また呼ばれる。
きりがない。 そんな中での処置で助かるとも思えない。
なのに、仲間の声に死を恐れず何度も駆けつける。
人を殺す兵士より、ケガ人を助けようとするこの衛生兵の存在のほうが、よほど生々しく悲しいと思った。
第二弾「硫黄島からの手紙」
二宮くん、渡辺謙さん、中村獅童くん、・・・
字幕無しの日本語・・・
これ邦画?じゃないよね・・・
「父親たちの星条旗」同様、戦いの場でのリアルな精神状態が、 日本とアメリカどちらに偏りもなく描かれていたと思う。
渡辺謙さん演ずる栗林中将は“日本軍硫黄島守備隊の総指揮官”。
あきらかに戦っても無駄とわかっているような状態で、 自分の国からの助けもない、
そんな中で、「本土を守るため」と、
知恵を絞って部下たちを指揮するなんて、あまりに理不尽で想像を絶する。
冷静な判断なんて・・・ありえない。
玉砕を認めず自決を禁じることも、この時代実際にどのくらいあったのだろう。
膨大な数の敵の戦艦が島に着くシーンは、 笑ってしまうくらい。
「鬼畜米英」を鵜呑みにしていた若い兵士が、同じ人間なんだと気づく、 それはある意味残酷。
敵と戦うのは、 「国の信念か、個人の信念か」と、
栗林中将がアメリカ人に聞かれるシーンがある。
「同じではないのか」(当然のように答える。でも本音なのかな。)
監督の言いたいことってここかなあ?
ここであってほしい。
国対国=国民対国民ではないはず、
そこが戦争の怖いところ。(S)