プロペラvol.21<2000/7,8月号>

再びボランティアについて
バーベキューin伊奈
ミュージック♪ポラン
たかさご荘見学
埼玉ネットの報告
障害児者の公的在宅支援サービスについて
手話で話そう!!!
少し勉強たくさん勉強
障害児を育ててみて
ボランティアの仲間たち
事務局からのお知らせ等

再びボランティアについて

「ボランティア」という言葉は、「愛」という言葉と同じ。
同じのひとつは、多種多様な意味に使われているということ。
もうひとっは、根本においてその精神が同じであるということ。

 さて、ボランティア(活動)については、次のように考えます。
 即ち、私達のグループは、常に、行政や民間企業の手の屈かないところを常にザポートしたいと考えています。日本の行政は、理想理念が先走り、実際の現場の状況の理解が足りない場合が多くあります。対して、民間企業においては、利潤の追求という民間企業の使命から外れることがなかなかできません。
 しかしながら、知的障害をもった家族や世界の難民のこども達の抱える現状、閥題は、時を待ってはくれません。自分の目の前にいないから、関係ないと言い切っていいのでしょうか?自分の周りだけが平和であればよいのでしょうか?
 行政や一般企業にも現代社会の変化に柔軟に対応してほしいと思っています。
 それ以上に、社会の構成員である…個人にも変わってほしいと思うのです。
 一人の行動が無駄であるということはありません。
 人が人らしい瞬間は、まさに、他のものごとに対し自らが持っているものを提供したときではないでしょうか?
 他者に何も与えず、かえって害毒ばかりを与えている現代の若者。
 人として何が大切なのか教えなかった人生の先輩達。
 人としての原理原則を失いつつあるこの国日本は、今は繁栄していますが、20年後の廃頽はすでに決定しているように思われます。  そのような国にしないためにも、ボランティア活動が、祉会の潤滑油として、また、社会の足りない部分の最先端を行くものとして、活動していきたいと考えています。  人間らしい瞬間を提供する場のひとつでありたいと思うのです。

 この、「人間らしい瞬間」という点から、ふたつ目の「愛」という意味と同じと蝶がります。すなわち、ボランティア活動が「相手に与える」という点と「愛」が与えることを基本とすること(愛には、与える愛と奪う愛と友愛の3種)に共迎な点があります。

 空を自由に飛ぶ鳥たちが美しく見えるのはなぜでしょうか。
 海を自出に泳ぐ魚たちが美しく見えるのはなぜでしょうか。
 そして、人間が人問らしいときはどのようなときでしょうか。

 ボランティア活動にその答えのひとつがあるのではないかと最近良く思います。
プロペラ代表 熊川英輔

バーベキューin伊奈6月10日(土)

 当日の朝、起きたらいや〜なかんじ…「ま・まさか雨?」と思ったらお姉さまから電話。しばらく様子を見ることになり、1時間遅れの集合。現地にも遅れてしまいました。着いたときにはもうすでに用意ができていて、みなさま本当にごめんなさい。朝早くからおつかれさまでした。
私は、久しぷりの再会でもう忘れられてしまったかな・・と思ったけれど、そんなことはなく、ともちゃんの「あやおねえちゃん〜」の声にひとまずホッ。バーベキューはそれはそれはおいしかったです。やっばり外で食べるとこんなにおいしいのね。手に包帯をぐるぐるまいていたお姉さまは、どうしたかな?とおもったら、みんなから差し入れをされて、なんとか食べている様子。手に串を刺されてシザーハンズのようになっていました。それにしても、みなちやん・ともちやん、つなちやん、お手伝いして切ったにんじんさんだけ除けてたべるなんていけませんよ!はやちやんは魚貝類が大好きなんだって。お父さん曰く、前世はイルカって…うん、納得!
食べおわったあとはやっばり運動!水遊び・公園・アスレチック・サッカー・・いろいろ遊びました。ここでひとこと、アスレチックはこどもの遊び場だ!!綱渡りはほんとに 苦労しました。ブランコや滑車は大人気。とくに滑車。そこにサイサイがやってきてこどもたちもおおはしゃぎ。サイサイのスピードの速さ、すぱしっこさはすばらしかった!もしかして前世はサル・・・?(あれっ、みんなそうじゃん)
遊び疲れてもどってきたら、バーベキューも片付けに入っていました。最後に全部燃やせるところがいいのよね。ともちゃん・つなちゃんコンビはすわりこんでじ一っと燃え るのをみつめていました。ひろくんはうれしそうに手をパタパタ。みんな、灰かぷってるぞ〜ってそんなことおかまいなしなのよね。
この日・泥んこのまま渋谷にいったら「いったいどこの戦場に行つてきたの?」といわれてしまいました。ひ、ひどすぎる。でも楽しかったね!久しぶりのボラの一日は次の 日、やっばり筋肉痛になりました。今度はもっと体力を付けてくるぞ!!

☆ ☆ ☆  ミュージック♪ポラン  ☆ ☆ ☆ 「音楽やりたいよね、クリスマス会の時みたいなの」とポランのお母さん方から声があがったのは2月の寒い日。そうそう、クリスマス会では下手っぴな”ポラペラバンド”だったけど、みんなノリノリで舞台に上がって来てくれたっけ。 折角だもんね、1回きりじゃもったいない! と立ちあがってみたところが、メンバーの皆さん諸事情によりご多忙中。 ま、いいか、ピアノとキーボードでもきっと楽しいよ。 なんて言いながら楽譜集めたり、伴奏練習したり(ホント?)して5月の終りにやっと実現しました。

その日、5月28日は10:00からという早い時間の活動にもかかわらず、見学のご家族もたくさんいらっしゃって交流センター音楽室はオトナと子どもでいっぱい。 午前中はプールやおもちゃ図書館で体を動かして、お腹ペコペコになったところで総勢30名でファミレスランチ。 さてさて、いよいよミュージック♪ポランの始まりです。

司会進行を決めていなかったりで段取り悪いスタートでしたが、まずはみんなの大好きな”さんぽ”。 鈴やマラカス、大太鼓そして歌はみんなにお任せ。 あとは事前にお母さんやボラにアンケートをとった結果上位を占めた”フラワー”や”おもちゃのチャチャチャ” ”ドラえもんの歌” ”だんご3兄弟” ”にんげんっていいな” ”南の島のハメハメハ” を演奏しました。 上手に弾いたり歌ったりすることよりも、とにかくみんなが楽しんでくれればいいな、という思いでしたがいかがでしたか? (伴奏していたのでみんなの様子がよくわからなかったの)

今度はこうしたい、あんなことしたい、こんな曲やりたいなどリクエストがあったら是非教えて下さいね。 企画・アイディア募集中! それでは、折角だから紙面を借りての公開反省大会〜。

次回は... ♪音楽室ではなくホールを借りてのびのび動けるようにしよう! ♪歌詞がわからないボラが続出。 歌詞カード作ろうね。 (タイピング協力してくれる人連絡下さい。) ♪ちょっと時間が長かったので1時間くらいに収めよう。 ♪司会進行の人と打ち合わせ必須!

その他、手遊びなど子どもたちを巻き込んでの音楽も楽しいかな(とのお母さんのご意見あり) などと夢は大きく果てしなく。 次回へ向けて更に鍛錬をつみたいと思います。

また、ミュージック♪ポランとは別枠で知的な障害を持つ子供を対象とした音楽療法の現場体験ボラを個人的に実施します。 興味ある人は熊川代表経由ひぐ姉まで連絡くださ〜い。(日時未定)

というわけで次回に乞うご期待。


たかさご荘鴻沼福祉会/本人主体の自治会運営の様子を見学に行ってきました

埼玉ネットの報告

  埼玉県生活サービスネットワーク( 埼玉ネット)とは 
障害を持つ人や高齢者など、地域で生活するための支援や介護を必要とする人達とその家族に対する生活支援サービスに関心のある団体や個人のネットワーク作りを通して多くの情報を共有し、生活支援サービスの充実を図る事を目的としています。ポランの広場は正会員として登録しています

4/25定例会 川越オアシスにて
*県社協主催の講演会『障害者福祉セミナー障害を持つ人々の地域生活を考える』の講師として依頼があり埼玉ネットの活動の様子や障害者には地域での福祉サービスが必要である事など話されたそうです 県社協からの依頼という事で埼玉ネットの位置付けも確立された感があります
*先日のシンポジューム『私』がわたしであるために…小山内美知子さん講演の会計報告がありました 参加者256人 ソニック市民ホール使用料23万4千、備品借料13万6千、講師謝礼18万、(交通、宿泊費別途)当日の会費では足りず特別会計から46万7千繰り入れとの事でした
*埼玉県予算に対する要望書の内容を話し合いました
 一部特に関係のありそうなところを抜粋します
 介護料の見直しについて… ホームヘルプサービス事業の1時間あたりの介護料3,700円
と同額となるようお願いします(現行 2,820円)
 利用者負担額について… 介護保険では利用者負担額は利用料の10%となっています
サポート事業も同等の10%となるようお願いします
 一人当たりの利用時間の上限について… 年間利用時間の見直しをお願いします
 (詳しくは別途資料があります N井まで)

5/23定例会 障害者交流センターにて
*県へ提出する要望書の確認
*埼玉ネットの予算について 
*埼玉県庁健康福祉課主任の講演会あり
障害児者生活サポート事業の今年度の状況について説明
厚生省障害福祉課 資料の説明(障害保険福祉主管課長会議資料)
ホームヘルプサービス事業について 知的障害者のホームヘルパーは重度から中軽度まで拡大
入所施設のショートステイ事業について 日帰りの利用が可能になる 県予算400万
ホームヘルパー 県予算5億300万

6/22埼玉ネット総会 障害者交流センターにて
事務局の確認や (事務局に過度の負担がかからないように)また来年度の予算について
話し合われ 講演会の今後の運営の内容についても話されました

障害児者の公的在宅支援サービスについて

●ショートステイ<心身障害児(者)短期入所事業>国の制度・実施主体:市町村(高齢者のショートステイとは区別)窓口・大宮市障害福祉課
制度の概要と変化
昭和51年・・・「在宅心身障害児(者)緊急保護事業 ―緊急一時保護―」という名称で、在宅の障害児(者)を入所施設に一時的に保護する制度として始まった。家族の病気や冠婚葬祭など「やむをえない理由」の場合、対象者は重度のみ。 一泊以上1週間程度の利用を前提とする。
昭和55年・・・介護者の旅行や疲労回復なども利用する理由として認められた。
平成 元年・・・名称が「心身障害児(者)短期入所事業」と改められた。
平成 4年・・・障害の程度についての制約がなくなった。
平成12年・・・宿泊を伴わない日中預かりの利用を認める。また、手続きの簡素化をはかることとした。
ショートステイは、費用の面で食費程度の利用料で利用でき(重度1550円〜中軽度2210円/日)また、利用の理由や対象者、入所期間などが柔軟になりました。 入所生活の内容については、現状の制度内ではショートステイのための職員配置が難しく、どうしても、学校等を休んで集団生活に合わせる形になってしまったり、職員の方が休日を返上して付いてくれたり、(ショートステイを利用することで、その施設で生活されている方々への対応が手薄になってしまうようなことがあってはいけないし)、ショートステイをする施設によって対応の差がでてくることもあるようで、課題も多いと思います。
心身障害児(者)ホームヘルプサービス事業(国の制度・実施主体:市町村)窓口・大宮市障害福祉課

制度の概要
「重度」の知的障害をもつ人を対象に、自宅において、家事援助や身体介護などをおこなう。(外出時の移動の支援含む) 平成12年度から制度の名称と要綱が変わる予定。(6月20日現在未決定)
現状では、利用対象者が重度のみであることや、サービスの内容が高齢者向けであり知的障害児・者に対応できるヘルパーさんが少ないこと、また、定期的な利用を前提としていることなど、利用しずらい面も多いです。
でも、この事業は公的な在宅支援サービスであり、これからもっと、障害をもつ人やその家族のニーズに広く答えてもらえるようなものになってほしい。今年度から、介護保険が導入されたことで高齢者と障害者が要綱上分かれる事もあって、ヘルパーさんの養成研修等も障害者対象になっていくことを期待したいし、使いやすいものになっていくよう私たちも声を上げていかなければならないと思います。(さいとう)
概要の部分は以下から抜粋させていただきました。
「障害をもつ人と家族の在宅支援サービスの現状と展望」ファミリーサポートネットワーク(平成8年)

手話で話そう!!!

ハイ。みなさんこんにちは。お久し振りです。
今日は大宮市内で手話の学べる場所をご紹介したいと思います。
まず大宮市内で話通訳問題研究会が行っている"例会"というのがあって、
誰でも行く事が出来ます。内容は、テキストの勉強をしたり、ろうあ者と交流をしたりです。
あとは、サークルや市の講習会(会場:大宮市ふれあい福祉センター)が有ります。
市の講習会には、入門・初級・中級があり、入門と中級は3月中旬頃から市報(みのり園での募集)で受講生を募集します。(大宮市内在住の方)初級は夏頃だったと思います。
この講習会は入門→初級→中級と受けるようになっています。他で同程度の勉強を受けた方も受講はできると思います。詳しい事は、市報やこの講習会の申込用紙を読んでください。
時間帯は昼と夜があり選べます。勘回で2時間です。講演会も何度かあり、ろうあ者の生活や周りの環境、聴覚の生理などのお話を聞いて理解を深めていきます。
夜の講習会は、11年度・12年度とも毎週水曜日の18:45〜20=45でした。
他にプロペラの何人かで、さんごというサークル(?)に通っています。こちらは月1回のみんなの都合の良い土曜日または目曜目の午前中です。みんなでワイワイ楽しくやっています。
よかったら来て下さい。行ってみたいと言う方は↓まで連絡をください。

少し勉強たくさん勉強

今日は法律の話を少し。
今年の6月7目に杜会福祉に関する法律が改1I三され、公布されたことをご存知でしたか?
その名も「仕会福祉事業法等の一部を改正する等の法律」。社会福祉の基本法である仕会福祉事業法の改正(現在は社会福祉法)や知的障害者福祉法を含めて8本の法律が変更になりました。そして今同の改正は昭和26年に旧社会福祉事業法が制定されて以来の大変革と言われています。
今回はこの中身についてほんの少し学習を。
さてどこが変わったのか。
改正の内容は多岐にわたりますが、一番大きな点は次のようになります。
今までの制度は「行政が行政処分によりサービス内容を決定する措置制度」。これからは、「利用考が事業者と対等な関係に某づきサービスを選択する利用する制度」。措置制度から利用選択制度に変わったということでしょうか。即ち、国や都道府県行政が一方的にサービスを提供するのではなく、利用者が自分に合った生活の仕方、利用の仕方方をできるように変換しようとするものです。
ただ、今同の改正により、行政全体が「ちいさな政府」へ移行し、税金面等のシステムの変化まで予定されているかといえばそうではないようです。民間に任せる、利用者の自己責任であるという理想は分かりますが、国等の行政が権限の面でも資金の面でも掴んで離さないのでは、上手く機能していくかは疑問が残ります。
法律は、施行されたばかり。
中身の充実はこれからのことだと思います。
知的障害者に関する事項もだいぶ変更になりました。知的障害に関する行政の対応は他の障害を持った方々への支援に対して遅れているといわれています。いち早く埼玉県や大宮市が取り入れて、知的障害児者に関する先端を行くものであってほしいと思います。社会福祉法に関する資料については、事務所にあります。ご覧になりたい場合は、事務所まで。

障害児を育ててみて

たけし母

「たけしくん!」朝、夫を送り出して、生後7ケ月のわが子が竈ている部屋の襖を開けた。さっきから一人遊びをしている声が闘こえていたので、目がさめていたのはわ かっていた。いつもならこちらをみてニコッと嬉しそうな顔をするのだが、横をむいたままだ。ポールが転がっていたのでそれを見ているのかと思い、ボールが置いてあ る方の側へいってみた。
もう一度、呼んだ。「たけし!」目の前で手をかざしてみた。まばたきもしない・・一瞬わたしは胸騒ぎがした。と思うといつものたけしに戻っている。長く感じたが、1分もなかった出来事だった。だが、今起こった光景は私の頭から離れない。
 お昼にもあった。近くの小児科医へ竃話する。

「たぷん癲癇(てんかん)の小発作だと思いますが、大きな病院でみてもらったほうがいいでしょうとのこと。昭和57年3月31日、生後7ケ月のことである。 夫の帰宅後、話をするが、「癲癇」という病名に病気のことも知らないくせに、互いに「身内にはそんな人はいない」と言い合う始末。なんと愚かな親であったことか。
数秒、横を向くだけの発作が、全身硬直の発作に変わっていき、入院した。
痙攣(けいれん)の原因を検査していくうちに、前頭葉の血管が詰まって、その後、自然にバイパスができているのを発見した。が、いつどこでできたものかは分からない。 痙攣の原因としては考えにくいということで、原因不明のまま「難治性漬疵」という病名がついた。けいれん 入院してからは、おすわりができかかっていたたけしも、日に日に成長が後戻りし、首がすわらない状態にまでなり、笑うこともしなくなり、視線も合わなくなってしまった。隣のベッドに寝ている緩管栄養をうけている子供をみるにつけ、たけしもこうなるのかとおもうと涙の毎日だった。
入院して3ケ月がたち、多い時には1日に36回という重積状態の発作も少なくなり、退院することになった。生後10ケ月になっていたが、後戻りした発達も寝返りできるまでになったものの、相変わらず笑うこともなく、視線を合わせることもない。医師の「普通の子供より遅れて発達するでしょう」という言葉が理解できなかった。
それでも家に戻ると、笑顔がみられるようになった。が、表情があまりなく、ポーツと指しゃぷりをしていることが多かった。
1才7ケ月になり歩けるようになった。退院後、通院していた病院の主治医に話すと「お母さん、良かったですね!」という弾んだ声。その声に(この子は歩けなくても当然だったんだ)とわかった。
家でのんびり過ごしている場合ではないと思った。県のたより(神奈川)だったか、障害児の教育相談という記事をみてすぐ竃話をした。予約をして行ってみると、元養護学校の先生という方が担当になった。「1ケ月に一度みせてください」とのこと。
訓練というよりは、一緒に遊んでくれていた。ここの薦めで、こども医療センター(神奈川)の遺伝科・眼科・耳鼻科にも通院をはじめた。私の頭の中には早期発見、早期治療の文字しかなかった。
そして2才3ケ月になり、思い迷っていた市の障害児通園施設にも通所することにした。夫はまだ障害児としての認識はなく、この園に入ることは反対だった。しかし運動会で初めてわが子と他の子とを見比ぺてみた時、その発達の遅れの重さに認めざるをえなかった。
障害のやや軽い子供の多かったこの園の親たちは、障害児の教室に通わせたり、幼稚園に週2日ほど通わせていたので、情報がたくさんあった。私は迷わずドーマン法の教室を見学に行った。これにはあまりのスパルタに親のほうが退散した。
そして感覚統合を基本にした自閉症の教室に通うことにした。家から徒歩(40分)電車、パスを乗り継いで片道1時聞半の道のりだった。たけしは自由になる紙や水遊びは好きだが、それから遊びが広がらない。それぞれの五感の働きをよくして脳を弼刺激激する方法は納得できたのだが、たけしには難しすぎた。それと体を使って遊ぷまではよかったが、動きたい子供を机に座らせ、パソコンをつかって殴り書きをさせようとするものは、たけしにとっては興味のないものをさせるために椅子に座らされるということ自体むりな話で、それを行動療法なるもので強引にしたため本人が精神的にダメージを受けてしまった。通園施設でも椅子に座ることに対して拒否を示し、パニックを起こすようになったため、半年かよったがやめた。
たけしはこれをきっかけに、自分の思うようにならないことは大騒ぎをしてパニックを起こすようになった。これからしつけることがたくさんあるのに、どうしたらいいのか迷い、癲癇で通院している主治医に相談してみた。この主治医には感覚統合の教室へいっていることは話してあったので、その時は「いい教室をさがしましたね」と応援してくれていたが、精神的に不安定になってしまった話をすると、「一人一人違うのに、なんでもかんでも一緒に考えるからダメなんだ」と怒った調子でいい、そしてこの先生自身が以前、担当していたという短期入所を紹介してくれた。たけしは4才2ケ月になっていた。
この短期入所は親子で1週間泊まり込み、親と子別々に教育を受け、親が悩んでいることをいっしょに考え、子供にはマンツーマンでつき、じっくりと観察して子供に合った対処の仕方を教えてくれるものだった。
たけしの紙へのこだわりは強く、破いてもいいものいけないものの闘き分けなどできるはずもないと諦めていたが、1週間の入所も半ばを週ぎた頃、たけしの担当の先生が私を呼びにきた。「たけし君、聞き分けができるよ。お母さん、見にきて」という。ホールに行ってみると、たくさんの本が詰まっている本棚の前でたけしが棚の本ではなく、広告の紙で遊んでいた。が、私の顔をみるとすぐ本棚の本に手をだした。すかさず先生がたけしに声をかける。「たけし君!大事だからね!大事だよ!」強い口調だ。すると不思議なことにたけしの手が止まった。あんなに大騒ぎしてパニックを起こし頑張っていたのに、えー闘き分けができるんだ、と驚いた。「お母さん、この子はわかるよ。パニックを起こしても最後までつき合ってあげて。『これは大事なんだ』と子供の声の大きさに負けないで、子供が諦めるまで教えるのよ」
--この言葉に自分が今まで逃げていたことがわかった。
ひとに頼るのではなく、自分が育てるんだということが-- 発病、障害児となってから4年間が過ぎていた。その後、特に病気がみつからなかった遺伝科・眼科・耳鼻科に通うのはやめた。それからは格闘の日々もあったが、今でもいけないことをする時はたけしの視線がピタッと合う。私が本気で怒るから…

ボランティアの仲間たち
本当に不思議に思う。
一生のうちで出会える人は限られているのに。
こうしてボラの仲間たちと出会えたことを。
そこからすべてがはじまるのだと。

本当に大切なことだと思う。
知的な障害をもた人々と出会うことは。
いっしょに生きることで、僕にも生きることの意義を教えてくれる。
自分自身を知ることが出来る。

本当に大切にしたいと思う。
出会った仲間、親子、すべてのものごとを。
いつまでも前向きな心で接したいと思う。
無限の希求がはじまる。
限られた時間、限られた空間、与えられた命。
しかしながら、この限られた人間は、限りない選択の枝をもっている。
自由と責任の名において。
そして、命の尊厳を守ることができる。
他の命の守れるのは、その人のみ。

あなたも人。
ワタシモヒト。
われわれ兄弟。
この兄弟、言葉ではいい易いが、実行するのは難しい。
自分の信念は守りつつも、他を生かすこと。
他の存在を認めること。気付くこと。
人を育てること、大事な役目。(K)

事務局からのお知らせ等 ○今年は、雨に恵まれた梅雨のようですね。紫陽花も色とりどりにとてもきれいです。個人的には、カラ梅雨が好きなのですが、これでこの夏は水不足に悩まされずに済みそ、うですね。
○今年も夏休みの時期がきました。40日間をどう過ごすかは、子供を持った親の脳みのひとつですが、今年も平日ポランを実施する予定です。うちも全面的にサポートするつもりです。詳しくは予定表を見てくださいね。
○これは、ひとつの架空の事例として皆さんはどう考えますか。知的障害をもった子供が緊急入院(1ヶ月位)しました。母親は、24時間つきっきりで看病しています。父親はもちろん仕事です。兄弟たちも学校やら仕事やらで昼間はいません。この場合、母親をサポートするプログラムは何かあるのでしょうか。僕が一慰い浮かぶのは、普段接しているボラが昼間の2,3時間ぐらい交代することぐらいなのですが。緊急時の公的な負担(人的、金銭的)というものはないのでしょうかね?これを読む福祉関係の職員や行政の人がいれば、よい知恵を教えてほしいのですが。
○会計関係を少し。
◎継続の方で、年会費を払っていない方。お手数ですが、ブロペラロ座に振り込むか、事務所まで持ってきてください。よろしくお願いします。2400円です。
◎維持会員を募集しています。一口年10000円です。40口募集中です。これは、事務所の維持費用などに当てさせていただくものです。よろしくご協力を。
◎ご寄付をいくつかいただ幸ました、大宮市のTさんから3000円です。どうもありがとうございました。活動費に遣わせていただきます。Mさんもありがとうございました。
◎夏休みにはたくさんボラがきます。まだ見ぬ仲間に期待と希望と少しの不安を持って待ちたいと思っています。ともにがんばりましょう。

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